私はYOUTUBEなどの動画配信を会社勤めをしながら、副業として数年間行ってきたのですが、今年の途中から再生回数が飛躍的に上昇したほか、関連して企業等からのコラボ依頼なども出てきたことから来年から、独立して事業として同事業を展開していきたいと思っています。それに関連して、周りから法人化した方がいいのではというアドバイスもされたのですが、その意義がよく分かっておらず、一方google社等の広告料の算定ポリシーの改定等、ビジネスモデルを多角化しておかないと収益が安定しない不安もあるため、将来のためにも法人成りしておいた方がいいのでしょうか。なお、同事業の今後の運営は、当面私と結婚予定のパートナーで行って行く予定です。動画配信業に特有の税務の論点(個人)についてご質問は個人で副業としてyoutubeによる動画配信を行われてきたとのことで、一般的な企業では副業禁止規定などかあり、これまで得られた広告収入等については雑所得でご申告されていたのではと推定し以下解説させて頂きます。※ その理由として令和4年に改正された所得税基本通達35-2注書きにおいて、 ・その所得に係る取引を記録した帳簿書類の保存がない ・その所得に係る収入金額が300万円以下で、かつ事業所得と認められる事実がない場合は雑所得として取り扱われる旨規定されているためです。一方、個人の事業規模が拡大される見込みにより会社員から独立した企業体として運営されていくためには、将来を見据えた事業計画なども想定し、事業にかかる取引を記録した帳簿書類の保存を行っていくことも必然であろうと考えられるため、個人事業として行っていく場合でも事業所得に該当する可能性は高いと考えられます。また事業規模が拡大していくと将来的に消費税についても検討が必要です。何故なら、事業にかかる収入がGoogle AdSense等の国外事業者にかかる広告売上など不課税取引に該当する売上のみであれば別ですが、国内企業から直接オファーを受ける企業広告案件、ニコニコ動画等の国内プラットフォーム等その他国内企業からの関連業務案件等の売上が拡大すれば消費税の課税売上にかかる申告義務が発生する可能性も高くなります。これらのことを踏まえて今後収益が増加していくと仮定した場合に中長期的な支店から法人成する場合の、一般的なメリット・デメリットを以下例示させて頂きます。法人成りのメリット・デメリット以下一般的な法人成りのメリット・デメリットを列挙します。個人事業(所得税)法人事業(法人税)メリット設立費用が不要。税率が一定(実効税率 約30%前後)。従業員5名未満(一部の業種は除く)までは社会保険加入は任意。法人に帰属する事業すべての損益を合算できる。接待交際費の上限はない(家事費との区分が前提)。欠損金を最大10年繰り越せる。役員報酬とは別に、同族株主に対する配当が可能。経営者自身の役員報酬で給与所得控除が可。退職金等の経費参入項目が増える。融資等の際の社会的信用が増す。株主総会等のみで事業承継が完結する。(別途登記等有)デメリット税率が累進税率(住民税も含め最大55%)。従業員等の社会保険加入は強制加入。親族等に対する青色専従者給与は届出が必要で、変更も届出が必要。役員報酬は、定期同額など一定のルールに基づいたものしか損金算入できない。家事費や資産の事業用割合などが税務調査で厳しくチェックされる。赤字でも法人市民税均等割が発生。所得区分ごとの算定を行う必要があり、各所得との損益の通算に制限がある。接待交際費の損金算入の制限あり。青色申告の事業所得等の欠損金の損失繰越は3年間会計・税務事務や法人登記等に関するコストが増える。不動産所得についても5棟10室基準の規模による青色申告の特例等の制限がかかる可能性有。法人成りすると、例えば将来的に会社の支配は株主として継続しつつ、配偶者や場合によってはお子さんに事業承継して代表者に就任してもらい役員報酬を得てもらい(勿論役員としての事業従事実態がある必要があります。)、お客様は株主として配当を得るなどの所有と支配の分離などさまざまな事業の関わり方の選択肢が増大します。また事業で得た資産は、個人事業のままであれば、個人に帰属する資産であるのは当然として、法人の資産であれば、オーナーが保有するのは非上場会社の株式等として所有することとなるため、事業承継の形も株式の移転で完結することになります。(法人形態を合同会社とすることも検討できます。)また上記表にも記載したとおり、将来を見据えて事業ポートフォリオを分散したとして(仮に動画配信業、不動産賃貸業、その他事業を営む場合)、個人事業なら事業所得と不動産所得(場合によっては雑所得も発生)の別々の算定が必要となり、所得間の損益通算も一定の制限がかかりますが、法人なら法人登記の目的に記載されている事業なら、内容にかかわらず同じ法人内での事業の損益を通算できるため、真の意味でのポートフォリオ分散がしやすくなります。以上のメリット・デメリットを踏まえて法人成りのご検討をされるのであれば当事務所に無料相談のお問い合わせをご検討頂けてたらと思います。