お悩み個人で不動産賃貸業をしていますが、周りから資産管理会社を設立することを勧められていますが税務上、留意しておいた方がいいことはありますか?検討しておくこと不動産賃貸業を個人ではなく、会社で行う場合に税務上の損益面と資産面で以下のような税への影響が生じます。(損益面)資産管理会社の所得課税が、個人の不動産所得にかかる所得税から法人税となるため、所得金額等によっては税額が減少する可能性があります。青色申告を前提として、所得税と異なり法人内での所得はすべての所得の通算が可能であり、欠損金の繰越年数が法人の各事業年度開始の日前10年となります。(個人は前3年)個人の不動産所得の帰属は、所有する不動産の(共有)名義ごとによるが、法人で得られた利益から、役員報酬の支払や株主に対する配当等も可能であるため関係者間での所得分散が可能。(事業に従事していたり株主であること等が前提)その他、不動産M&Aなどで、不動産賃貸業の会社ごと売却する場合に会社の土地等の保有期間が短期であったり、総資産に占める土地等の割合が一定以上になる場合にオーナー保有株式譲渡所得の税率が上昇するおそれがあります。(資産面)相続税上、法人で保有する不動産はその他の法人の資産も含めて個別に財産評価基本通達に基づき評価した上で、全体の評価を非上場株式の評価ルールにより行うため、資産管理会社に集約した相続税評価全体が法人の規模や資産構成により変動する。(但し法人が保有する総資産に占める土地等の割合が一定以上になると土地保有特定会社として資産管理会社の株式の評価額が上昇する可能性があります。不動産を直接保有する場合は生前贈与により、共有持分の贈与を行った場合はその都度流通税(不動産取得税等)や登記費用が発生するが、非上場株式の贈与については、株式譲渡承認手続きを前提として株主名簿を変更するのみとなりコスト面で有利となります。所得税と異なり法人内のすべての所得が損益通算できるため法人資産ポートフォリオ組成の選択肢の幅が広がります。例えば不動産の建物は法人、土地を個人の形にすることにより、賃貸関係等によっては借地たる土地の評価が変動します。(その他)・設立時の会社形態について、合同会社とするのか株式会社とするのかの検討も必要です。(設立コストの差異のほか、増資の際の資本金等の取扱が異なる)対策できることすでにある個人保有の収益不動産を法人に移転させる手段として、法人に対する譲渡のほか、個人→法人間の贈与や現物出資等の手段があるが、会社法上等の手続きや税務上の論点整理・事前シュミレーションや、収益不動産の賃借人にかかる保証金や不動産担保の銀行借入について税制面からの検討も必要です。法人に設立時出資する金額によっては、法人税の中小企業の特例の適用ができなくなったり、法人地方税の均等割額が増加する点も事前シュミレーションを行っておく必要がある。また資本金が1億円超の場合は原則外形標準課税の対象となることに注意。後継者が複数人いらっしゃる場合、1社を複数人で支配することは長期的な承継目線でみると親族とは言え血縁関係が薄まって来る可能性があり場合によっては争続の可能性が生まれるため、資産管理法人の社数も含めた検討が望ましです。資産管理会社設立により、承継の選択肢が広がる一方、利益が出ていなくても法人地方税の均等割等の一定のランニングコストが発生することなども考慮しておく必要がありますが、資産規模や承継プラン別にさまざまな効果が期待できますし、認知症対策にも有効です。ただし法人化後に法人保有資産を再び個人名義に戻すことになれば、会社清算プロセスにて課税関係が発生することもあるためそのデメリットも踏まえた意思決定が必要です。もし資産管理会社設立を検討されているなら是非、当事務所にご相談ください。