お悩み父が亡くなり、実家を母が相続して一人で暮らしているのですが、最近母の認知機能が衰えてきており心配しています。私も含めた子供はそれぞれ家庭を持って離れたところで暮らしています。母は、実家を離れたくないと言っているのですが、もし介護施設に入所したら、空き家となった実家の管理や介護費用が捻出できるか心配です。日本の認知症の現状について厚生労働省等の統計データによると、2025年時点でも65歳以上人口は約3670万人に達するとされており、人口全体にしめる割合は3割に達します。そのうち65歳以上の2025年時点の認知症有病率は(65歳以上人口に占める認知症とされる方の割合)は少なくとも18.5%人口換算では675万人に達するとされており、非常に身近な問題になってきています。https://www.mhlw.go.jp/content/12404000/001088515.pdf認知症と一口にいってもいくつかの態様があり、これも上記の厚生労働省の公表資料によると、①アルツハイマー型認知症(67.6%) ②血管性認知症(19.5%)③レピー小体型認知症その他となっており、7割弱がアルツハイマー型認知症であるとされています。一方認知症の状況になるとさまざまな公的機関の支援が必要となりますが、法的意思能力がないと見做された認知症の方々は、法的後見人を市町村長の申立で家庭裁判所が選任しうることになっており、実際法定後見人の選任申立の内、実に約24%弱が市町村長からの申立によるものとされています。つまり、御本人やご家族が意図しない形で認知症となられた方に法定後見人が家庭裁判所から選任され、就任する可能性があります。(法定後見人に対して、その就任期間中一定の報酬を支払う義務が発生します。)https://www.courts.go.jp/vc-files/courts/2025/20250313koukengaikyou-r6.pdf対策をしておかないと・・ご相談のような状況で仮にお母様が仮に認知機能を失い法的に意思能力がないと見做されると、以下のような新たな困りごとが発生し、場合によってはお子様がざまざまな負担を担わならない可能性があります。母の介護費用支払のための母名義の預金が動かせなくなる。空き家となった実家の管理や処分ができなくなり、安全管理や草刈りなどの維持負担を追わなければならない。母が持っていた証券会社の株式が大きく値下がりしたのに売れない。結果として子ども達や親族自身がお母様の介護費用を負担せざるを得なくなる。空き家の安全対策や草刈りなどの維持負担が発生する。対策できることお母様の財産管理を、法的に安全な形で管理できる方法として民事信託の検討をしてみてはいかがでしょうか。民事信託(家族信託)を活用して、実家の実質的な所有権(受益者)をお母様のままにして、管理や処分を例えばお子様を、お母様に代わってできる名義人(受託者)に設定することにより、場合によっては実家をお子様(受託者)が代わりに売却して、売却代金をお母様の介護費用に充てることが実現できます。民事信託(家族信託)については、信託口座の作成など実務的観点から公正証書により作成することが望ましいことや、税制上の取り扱いにも留意する必要があるため、民法・信託法のみならず税法面からの事前検証が必要となります。その検討のためにも、併せてお母様の推定相続シュミレーションを事前に行っておき、 お母様の資産内で、もしご本人の介護が必要となった場合の費用負担を見込めるか? お母様の資産の流動性(いざとなった時に処分が難しい資産はないか? 相続税は発生する見込みか?発生する場合にお母様の資産内で相続税が賄えるか?などを踏まえて相続税も含めた対策検討ができますし、これを機会に遺言書の作成をしておき、いざという時の円滑な財産承継の準備も検討できます。相続税などの税務に留まらず、民法・信託法などの様々な課題解決策を複合的に検討頂くためにも一度当事務所で無料相談をご検討ください。